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「こんちわー おしぐれさん、 クロねこですぅ〜 集荷にまいりましたー」
「おお 来たか青年、待っとったぞ。 荷物はこれじゃ、こころして運べよ」
「へえ 普通のダンボール荷物ですねえ。
Amazon空き箱の再利用じゃないですか、チャーターバイク便で来いとのご指定でしたがこれならバン型車でもよかったのでは?」
「うむ 行き先がな、トラックにはいささか隘路なんじゃよ」
「わいろ ですかい?
旦那あ〜 あっしらは公共性のきわめて高い運送事業者ですぜ、クロねこの社是によりそーゆー背徳モノの輸送はお受けしないことになっておりやす」
「えらいぞー青年、日本中の企業がそーゆー精神でコトに当ればトランプの揺さぶりなどは臆するに足らん。
おぬしら先日までの年末繁忙大荷物に耐えてよく頑張ったな、ご苦労であった。 台車ぶん投げのドライバーもおったようじゃが気持ちはよーわかるぞ。
ほれ、きょうは新年のご祝儀じゃ」
「いやー はははあー 旦那ぁ〜 これはこれは恐れ入ります」
「なんじゃ おまん、 前に出して広げたその手は?
それは賄賂受けとりのポーズではないか。 そーではない、隘路じゃ。 ご祝儀を届けに狭くて曲がりくねった道を行くんじゃよ。 ほれ、これを積め」
「はぁ〜 がっかり」
「さあ 行くぞ、ついて参れ」
「ついて参れって だんな〜 送り状は書かないのー。
自転車で行くなら自分で運べばいいじゃないですかあ〜」
「一緒に行くんじゃから送り状など要らん。 だいいち受け取り人はハンコなど持たんのよ、神界におわすお方じゃからなあ」
「びえーっ! 異星人のお客様ですかあ〜」
「ワシの自転車には荷物を積む装置がなかろ、じゃからと言うて背に負うには重すぎる。 来年古希じゃでなあ。
そこで運送業者を頼んだんじゃないか。 真っ当な利用法であろう、違法性など微塵も見当たらんぞ。
それともなにけ おまん、寄るべなき老人の依頼を冷たく拒むちゅーのんけ? ワシおまんとこの古い固定客、すなわちネコメンバーズやぞ」
「お客さ〜ん、 伝票がないと料金の計算ができませんのよー。
なんだか悪い予感がしますう〜。 せめて行先を教えてくださいな、会社に連絡してGPSで追跡してもらいます。
このまま帰らぬ人となっては日本運輸界の損失となりますからねえ」
「三千世界の果てまで自転車とモーターバイクで行けるか、すぐそこじゃ。
おしぐれ峠を下ったら鬼怒川沿いに下流へ50キロほど行ってな、江戸川と合流土手の産土神さまのところじゃ。
近道の旧道を行くから隘路のワインディングなんじゃよ、荷物を落とすなよ」
「えーと 鬼怒土手×江戸川土手うぶすな神さま と、 郵便番号と住所は?」
「んなものあるか、県境字外地先ポイントゼロじゃ」
「goo地図に載ってます?」
「おい 行くのか行かんのか。 いやならクマの飛脚と替えるぞ」
「行きます、行きますってばー とほほ〜」
「さあ 着いたぞ、なかなかのワインディングロードじゃったろう。
エンジン付きを先導して引くのは本末転倒の大変さじゃ。 ワシは心拍が200を超えたぞ、命がけじゃが年頭の初ライドはこーでなくてはならんな。
トラックやバンではここまで来れんでなあ。 さあ荷物を開けろ」
「着いたぞ 開けろって、旦那ぁ〜 ここですかい。 遠くに遊園地が見えるけど柴又の寅さんワールドまで来ちゃったの。
まわりは鬱蒼とした亜熱帯林じゃないのよ、どこ? ネコよりトラのほうがよかったみたいねえ。 あっしの役目はここまでやんしょ?」
「だめじゃ、おまんもお参りするんじゃ。 乗りかかったバイク便というじゃろ、しからば商運が開け交通安全も約されようぞ」
「ほえ〜 酒と米と塩まではわかりますがスルメは何ですの?」
「うむ スルメはアワビ熨斗のかわりじゃ、アワビは高価でのう」
「熨斗ってお年賀品の右上に付けるあの のし ですか、あれはアワビだったの?」
「うむ アワビ熨斗のいわれ因縁話しをひもとくとな、今回号に割り当てられたページでは足らん」
「ああよかった、もうおわりですか。 んー こっちにあるトゲの葉っぱと煮干しのアタマはなんだす?」
「それは柊鰯じゃ」
「ヒイラギ イワシ? 煮干しの魚はイワシですか」
「おまんは なあ〜んにも知らんのやなあ。 ええか、節分には門々に柊鰯を供えて邪鬼の近寄りを祓うんじゃ。
正式には生鰯を柊の枝に刺して臭気とトゲで鬼の嫌気を誘うんじゃがな、本物の生鰯ではワシらも臭いてかなわん。 それにな、草むらからマムシを呼んでしまうかも知れんでなあ」
「あのー だんなさま、節分は2月でございましょ、きょうは正月5日ですぜ。 マムシは冬眠中で出ませんが野良ネコなら集まって来ますなあ。
ちなみにあっしはクロねこです」
「いーの 神事はな、早め早めがええんじゃ。 ほれ そこに箱の品々を供えろ、ワシが祝詞を詠じたて奉るから自転車を支えてかしこまって聞け。
なに、自転車か? スタンドがないからおまんが支えておるんじゃ。
正月早々倒す訳にはいかんじゃろ、そのためにおまんを呼んだんじゃないか」
「旦那ぁ〜 そーゆー私的用途で公共性のきわめて高いあっしら運送業者を呼ばんでくださいよー」
「やかましい、ありがたい神域内にてウダウダ申しておると神罰が下るぞよ」
「ひえ〜 これでよろしゅうございますかあ〜。
ところで のりと って おしぐれさん、あんた禰宜さまだったんですかい」
「そーじゃよ、なんだと思っておったんじゃ?」
「へえー さいでがすか。 あっしはまた 自転車好きのよっぱらいのなまぐさ似非坊主かと思っておりやした。 禰宜さまだったとはねえ。 トウの立ったネギだ」
「おっほん、 静かにしておれと言うておろうが」
掛介麻久母畏伎産土神乃大前爾恐美恐美母白左久
(かけまくもかしこきうぶさうなかみのおんまえにかしこみかしこみももうさく)
大神乃高伎尊伎御徳乎仰奉利戴奉留団塊屋伊
(おおかみのたかきとおときおめぐみをいただきまつるだんかいやい)
中略
御酒御食種々乃物乎献奉里弖乞祈奉留状弥
(みきみけくさぐさのものをたてまつりてこいのみまつるさまを)
平良介久安良介久聞食志弖
(たいらけくやすらけくきこしめして)
中略
子孫乃八十続爾至留麻伝五十橿八桑枝乃如久立栄閉志米給比
(うみのこのやそつづきにいたるまでいかしやぐわえのごとくたちさかえしめたまい)
夜乃守日乃守爾守利恵美幸閉給閉登恐美恐美母白須
(よのまもりひのまもりにまもりめぐみさきわえたまえとかしこみかしこみももうす)
二拍シ拝シテ礼ス
来年以降に古希祝いのみなさまへ
中略なしのフル祝詞も受け賜わっております。 ご希望の場合は別途経費と出張旅費をご用意くださりませ。
団体さま一括御祈願の料金は 「くらしの相談 良の店」 にて親切受付中。 ご予約はお早めに。
写真の産土神さま、いわれ因縁はよく分りません。 お社の屋根に Audi のエンブレムをうやうやしく戴いておるところから拝察いたしまするに運輸交通系かと。
syn
お読みいただきありがとうございます、八九郎さんの代理人おしぐれです。
鬼怒川の土手ロードでヘルメットに飛び込んできた熊ん蜂にデコっぱちを刺され、こん倒して土手の芝草をすべり落ちた 「芝ライダー事件」 から早くも8年ほど経過しましょうか。
さいわい後遺症は軽いEDになったことと、ひとの名前がなかなか思い出せなくなったことくらい。
「貧脚なのは元々の素養プラス練習嫌いの相乗的パンデミックでしてな、治療の方法は確立されておらんのです。
あなたは蜂毒のせいだとお考えのご様子だが、主因を占める常在菌のへたれ真菌はおのれの怠惰を餌に増殖するのです」
「げっ! 星 新一 の世界け?」
「駆除しようとハイパーな新薬を使うとご本体さまのタマシイまで溶かしてしまう恐れがありましてなあ。
他人への感染性はないから日常生活は今のままでよいとしても、さても困ったお人だ。 つける薬はありません」
「でっ! 野口 英世 博士の世界なのけ?
パスツール研究所の見解はどーなんじゃ。 WHOは?」
「パスツールがわかりません」
「へっ! なにそれ、しゃれかいの?」
「あっ パスワードだった」
「先生、 パスワードとパスツールは同義語ですから先生の間違えではありません!」
若い看護師が キッ と八九郎さんをにらむ。
インフルの予防注射に行っただけなのに主治医の大ヤブ先生、八九郎さんのカルテの上にカーソルをぐるぐるさせながらそう言います。
美人看護師もグルのようです。
あの日予約なしで担ぎ込まれて以来、主治医に指名してやった大恩義は8年も経てば薄くもなりましょうが、
「もうED薬の処方も必要ないんでしょう?」
なんたる弱者切り捨ての非情発言か。
横に控えておった年増の看護師がわざわざ八九郎さんの正面に回って顔をのぞき込んだリアクションは、クリニックぐるみの演出か。
ひょっとして今夜の忘年会の余興練習なれば 「うまい!」 と誉めておこうが ・・
もしかして、ときどき立ち寄るロード脇の水飲み場でよく見かける半ホームレスから千円で買ってくれと持ちかけられた無料券を持って行ったのが意地悪のもとならば問題がある。
非課税世帯に配布されたはずのインフル予防接種無料券を売って酒代に変える半ホームレスの越冬対策は、券を配って終わりか。
市の高齢者健康福祉課を呼び付ける大問題であるが、その券を持ってのこのこクリニックへ行った課税対象者は罰せられるのであろうか。千円払っているのに。
事件以来蜂には恐怖症のはち九郎さん、盛夏から秋口は土手のまわりを飛びまわっているヤツらを避けて鬼怒川には近付けないでいた。
といってブリッツエンのメイン練習ロードである古賀志峠への街道筋には選手の邪魔をしてはならんという理由から近寄れず。 那須ブラーゼンのテリトリーをうろついては追い出され。
そうこうするうち冬になって蜂はいなくなった。
さあ蜂さえいなければ冬枯れの土手ロード。
行く手に沿ってただひとつ緑青を添えて土手下から伸び続く一筋の錦屏風、真竹のヤブ林。 それを唯一の風除け味方につけて八九郎。
破竹の勢いで自転車を駆る真摯雄姿はアスリートのかがみでございましょう。
見たか 大ヤブ、 練習しておるぞ。
されど寒い。
なんでこんなに寒いのか。 標高1600m超、紅葉の志賀高天ヶ原〜カヤの平コースは10月でも寒かったが海抜90mの鬼怒土手でそれを上回る寒さとは。
そうか もう12月だからか。
1月2月はさらに寒かろう、しからば八九郎さんも冬眠期に入ろうが練習はもう終わりけ?
というワケで冬は作家本業の自転車歴史文学者に戻れる唯一の季節。
前回号に付属した写真説明のつづきなどから始めましょう。
前回号の写真(中)と今回号の写真について。
ギヤ塊のことを業界ではギヤカセットといいます。
複数ギヤ歯の組み合わせを好みの歯数セットに差し替えることが出来るから可セットです。
とはいっても出鱈目に組み合わせては変速動作に支障がおこります。
一定の法則性があり、切り歯の位相合わせ・変速機との相性等々、規制のあるなかで工夫をしながら作ります。
シマノの出来合いの11枚セットを買ってしまうのが一般的ではありますが、八九郎さんのようなこだわり派はそーゆーことをせず自分で組み合わせを考えます。
そして実現の可 不可は一向に考えず、上首尾の出来上がりだけを夢想して当おしぐれ工房に発注してきます。
「そーゆー仕事って 断れないんですよねえー ぼく」
エンジン付きの場合はギヤ比を変えると負荷が変わって排出ガスレベルも変わります、よって国交省への届け出排ガス値のクラス変更を余儀なくされます。
この変更審査はメーカーが対象であり、個人では事実上門前払いされますが、自転車はその点何もない自由さがいいですね。
さて、写真の 「スーパー山行き 14‐32T」 は11枚セットから1枚減らして10速とし、変速機の左右移動量を楽にして耐久性と確実性を高めたおしぐれ工房スペシャルです。
シマノ11速から実を得て飾を捨てたオリジナル10速は、全巾で4.3%の縮小を実現できました。
これはシフトワイヤーにとって 「ありがたい」 と声を出すほどの厚遇になります。
シマノの画策による近年の度を過ぎた多段化は、増大したギヤ巾に追従せねばならぬリヤシフトワイヤーに無理を強いています。
出し引きの動きに加え先端部では左右にも大きく首振りをせねばならず、急角度での繰り返し動作はとても過酷なのです。
上り下りが続くワインディングロードへ行くと1分間に10回もシフト操作をしていることがあります。
F1マシンでもこんなにシフトを繰り返すことはないでしょう。
そこでシマノは数年前からCPU制御の電動シフト変速機を発売してワイヤーを廃した。 ただし価格は大変にお高い。
リアルレーサーやスポンサーを持つプロチームではこぞって新型の電動シフトにシフトして行ったのですが、貧乏な若い日曜ライダーには手が出ません。
一方 「金ならあるぞー」 のバブル盛期積立信託終生型年金組、頑固優雅なイタリアンライダーたちは、
「ふん、 あんなオートマチック車になんかに乗れるものか。 まるでドローン機のプロポやないかい。
ええか 自転車に限らず機械式スライディングギヤの変速ちゅーもんはな、回転を合わせて シュパッ! と一発で決めるんがベテランの味ちゅーもんや。
そーじゃろ ご同輩」
乗ったら便利で快適なのはわかるのだがそこはそれ、
「義理に生きるは男の意地じゃ」
やせ我慢というオールドライダーのメンツを通す八九郎さんたちなのであります。
本号写真の下のほうにチロッとほつれたワイヤーが写っています、クリックして拡大したら手を合わせて拝んでやってくださいまし。
これまでレース中にワイヤー切れで無念のリタイアをするメンテアホの選手を何度も見ています。
おしぐれ工房では11速を10速にしたことで首振り角を少なくしました。
さすがは老練のメカニック、失敗から得たノウハウなら他にひけをとりませんな。
「はい、失敗の数で他を圧倒しておりますでなあ。 んー! なにを言わせるんじゃー」
最大の特徴はトップから5枚目までが1歯飛びのクロスレシオなこと。 トップを14Tにしたことで18Tまでをクロスな並びに実現できました。
平地を巡行するとき風の抵抗が変わっても変速ショック少なくトルクの出る隣接ギヤに瞬速シフトし、分速80回のペダル回転数を維持できます。
最大歯数32Tは前回写真(右)に写るカド号の30Tよりさらに大きい。
八九郎さんがカヤの平の登りで苦労した経験から生まれたMTBのような巨大ギヤセットになりました。
今回はコルナ号用のリヤホイールに組み付けてみました。
写真がコルナ号のリヤエンド全景です。
手前で 「淡い山吹色」 に輝く金のギヤがトップ14T。
鍍金工場に単品を送ってから1週間、18金を纏ったギヤが 「キラ〜ン」 と帰ってきたときの狂喜乱舞の沙汰を前回号に書いています。
金のギヤを中央で締め付けている黄金色のリング(TOKENの文字がある)とチェーンの繋ぎリンクは18金ではありません。 色調が 「24金色」 に振り過ぎで、ニセ金とすぐに判りますよね。
どーやってこのような発色をさせるのかは知りませんが、こーいう小物部品がAmazonで買えるのです。
日本や台湾の自転車界では大国アメリカに媚を売ってはいるものの、その実は ・・ そのじつは、
自転車の生まれ故郷である遥か欧州ヴァチカンのローマ法王庁に収蔵されている金ぴかのコルナゴ、 ”五大陸王者号” 伝説のワールドチャンピオン実車に憬れというか郷愁のような想いを強くつよくしているのであります。
コルナゴユーザーでなくともイタリアンバイク乗りが金色小物でおしゃれをし礼を尽くすのはそのためであり、金ぴか趣味がどーのというハナシでは語れない自転車乗りのローマンスなのであります。
すべての自転車ロードは海も砂漠も踏み越えてローマに通じている。
goo地図を見ても明らかなように、けっしてパリの凱旋門などではないのであります。
それでもあのローカルな一大草レースであるツール・ド・フランス出場をめざす選手たち剛脚者のトップギヤは11Tあるいは12Tです。
彼らにとってカセットを構成するギヤ歯は消耗品ですから金メッキなどはしません、素材地金に亜鉛メッキしただけの質素版です。
彼らの14T歯は緩やかな坂をハイスピードで駆け登るときに通過する1枚のギヤに過ぎません。
貧脚八九郎さんのトップ14Tは前回号にも書いた通り 「スーパー山行き仕様」 の奥のほうの大ギヤを押さえておく役目として付いています。 ですからチェーンが掛かることは滅多にありません。
なのに、金メッキされて大きな顔をしているのです。
そして使われないのに通年取り付け使用(仕様?)でもあるのです。
「普段は11‐25Tか12‐27Tに付け替えているんでしょう」
選手にさらりと言われます。
「ああ まあ、そうね」
答える八九郎さんのひたいには四苦八苦労の汗がにじんでおります。
「オメさんたち そーゆーこと聞くかい。 だから選手の練習路には行きたくないのよー」
来春の 「諏訪湖周遊サイクルロード 何周できるか耐久大会」 に出場を考えておられる読者諸氏に申しあげます。
スペシャルゲストライダーがこの程度ですからビビることなくエントリーしてください。
優勝者には 「えらい!」 との惜しみない称賛が与えられますが、副賞はこれから受付するスポンサー次第です。
今のところ (株)シャイニングホイール様より夏タイヤ一式のご提供を賜るとの由。
大会事務局長のNさんなどは電動アシスト車用として背中に背負うタイプの宇宙服用大容量バッテリーパックをAmazonに発注したようです。
タイヤ欲しさに目がくらんだ秘策でありましょうか。 反則かどうかの判定権を持つ事務局長ですからきっとセーフなのでしょう。
価格的にはタイヤを買ってしまったほうがお安いと思いますが、そーゆーことでは語れない自転車乗りのローマンスにあのご仁もハマッた。 ということでございましょうねえ。
「おしぐれさあ〜ん 宅急便ですぅー」
「ほー ぃ いるよー。
いま開けるでよ、待ったれやー。 荷物はアマゾンかぁ〜?」
「こちらに と金さん ておられますの?
アジアからの研修生ですか 東京からコレクト便です」
「ワシしかおらんが ・・・ 宛名は と金さん かね。
なに? メッキ屋からか。 ああ ワシとこでええんじゃ」
「はい、 送料手数料込みこみ代引き 2,538円です」
「メッキ屋め、ワシの名前を と金 と書くとはなあ。 冗談が過ぎるでや」
「へんな名前を宛先にしないでくださいよ、おしぐれさんだってそうとう変です。
配達区域の担当が変わるとき一応申し送りはあるんですが、先任者もおしぐれさんの意味と由来までは説明出来ないんです。
でもぼくは何度か配達するうちに分かったんですよ、な〜るほどおしぐれさんだなぁって」
「やかましい、配送ドライバーは寡黙を本領とするもんじゃ。
職務上見聞きした客先の個人都合を外部に漏らすことは、民間の配達員といえども世界配送機構 JP黒ねこ支部職務執行規則に違反する重大な背信行為であると心得よ」
「ははぁー おそれいりましたぁ〜」
「さてと、と金なんてハンコはないからサインでええか伝票よこせ。 と金とはな、鍍金と書くんじゃ。 ほれ代金じゃ、金を渡すと書いて鍍金。
さあ 渡したぞ」
「旦那ぁ〜、あっし相手に手間のかかるしゃれ言ってる間におしぐれ雲がかかってきますぜ。
代金は実効性のある日本円の真券で払ってもらいやしょー」
「真券かぁ ナナコカードじゃだめけ?」
「コンビニ受け取りになっていればいいけど、今日の伝票ではダ〜メ。
あっしだってね旦那、師走繁忙貨物で積み切れない分をバンの足許にまで置いてブレーキのたんびに蹴飛ばし蹴飛ばし、決死の思いで走っているんですぜ。
真剣でがす」
「うまい! 黒ねこのしゃれを初めて聞いた。
ネコが箱のフタを閉めるコマーシャルもよかったが、オメさんのしゃれはライオンマスクをかぶった犬に赤ちゃんが抱きつくAmazon画像に次ぐ今年の大ヒットじゃ」
「ありがとうございます。
はあ〜 ここへ来ると癒されるなあ。 きょうも安全運転でがんばるぞー」
「うむ 青年よ、日本の輝かしき未来創出のためバンの荷物を配達しきるまでは昼飯にするんじゃないぞ。
それとな、駐停車禁止帯に停めるときにはな、
『おしぐれ庵さまへ赤穂藩より火急の密使です、ご町内の皆さま御免なすって』
とバンのバックドアに書いておけ。
ブリッツエンの宇都宮でおしぐれさんと言えば弾劾免訴、12月は忠臣蔵じゃけんのう」
「へいーっ! そーしやす。
ブリッツエンとはおしぐれ雲からひり出される金色の稲びかり、お稲荷様のお使いのことですよね。 ここに来るまで知らなかったけど」
作家注 : ブリッツエン(独) 稲妻・雷光の意、強きものの象徴。
転じておしぐれ。 なに! 転じ過ぎとな? ・・ やかましい。
ちなみに新興勢力 那須ブラーゼンは 疾風・はやて、那須岳おろしのからっ風も強烈です。
コレクト便で届いたのは小さなギヤだった。
東京下町の鍍金工場に金メッキを依頼していたものが戻って来たのだが、送り状は 「と金 八九郎 さま」 となっていた。
メールで加工の可否をやりとりするネームを 「18金のギヤを駆って破竹の勢いで坂を登る気合いのライダー 鍍金峠の八九郎 」 としていた。
メールネームがそのまま顧客名になったようだ。 せめて 峠 八九郎さま」 にならんかったものかいね。
<写真説明>
(なし) メッキ前のトップギヤ 重量18.8グラム すみません 画像が見つかりませんでした。
(左) 加工後 19.2グラム 0.4グラムの差が金の重さと思われる。
(中) 取り付け状態 内側に金色の薄いプレートが写っているのが見えますね、ギヤ塊の左右位置決め用スペーサーリングです。 これもメッキしました。
(右) おまけです 10月に志賀高原をカヤの平まで行ったときの写真。 背景の軽トラが邪魔ですねえ。 よそ者は 「どかせ」 なんて言えませんでした。
バイクはトレーラを曳いたカド号、巨大なリヤギヤに注目。 荷台の図面筒は釣竿ケース。 夜はNさんと温泉プラス酒飲み三昧。
メッキ加工を位置決めリングと外側のトップギヤ1枚だけの施工にとどめ、成り金ライダー呼ばわりされる愚を避けてみました。いかがでしょうか。
加工賃と重量の増加を抑えた金のサンドイッチデザインでございます。
チェーンで金が削れることをご心配の読者さまへ。
シニアクラスのおしぐれさんには、平地でもトップまでギヤを上げてゆくほどの脚力が残されておりません。
よって長い長い降り坂以外は使わないのです。
そんな坂はヘリコプターで上まで運んでくれるギアナ高地のエンゼルフォール観瀑ロードしかないでしょうよ。
これはテリトリーを越え那須街道まで行ってしまったとき、
不意に現れたからっ風ライダー、宇都宮で有名なおしぐれさんを知らないから不遜にもチャレンジを挑むのに対し金のトップで威嚇効果を狙った心理戦用なのであります。 効果 ・・ 不明。
じいさん仲間の家に行ったら孫がいた。
お嫁さん了解のうえで借してもらった ”一日孫” を連れて、トイザラスへ行った。
お嫁さん破顔見送りのワケは、最初に寄ったコンビニを出た直後に明瞭した。
チョコアイスでクルマのシートがベタベタになったのはまあ許そう。 道中その手で窓ガラスをペタペタするのには閉口したがまあ許そう。
「どーして サンタクロースは赤い鼻をしたおじいさんなのか、ぼく知っているよ」
「ほぉー それはトナカイのおじいさんかい?」
「ちがうよ、じじいのほうだよ」
「ほぉー 謎めいてわくわくするのう。 ぜひ教えてほしいがその前にトイレで手を洗おうなあ」
「ぼく ひとりでできるよ」
「まて、 おしっこの前に手を洗うんだ」
「あのね、サンタ爺いはおばあさんよりあっとうてきにひまだからだよ。 あっとうてきってなに?」
「おしっこのときは前を向いてしろ、こっちに振るな。 フルのはフル出し終わってからだ。 それにしても圧倒的水量じゃのう」
「♪ タイガーマスクはふるふるパンツ、フレ フレー ひまのサンタさ〜ん ♪」
「おじいさんはひまそうに見えるかい?」
「うん、 ビールを飲むときだってゆっくりビンを傾けるのは時間が余っているからなんだって、
ばあちゃんはこくせいを傾けるほどの勢いでコップを差し出すよ。 じいちゃんをだんがいから突き落とすじたいに至らないうちに飲むんだって。 だんがいのじたいってなに?」
「おめさん、 現代社会の病巣を揺り起こすような質問をするねえ。 そりゃー 弾劾のことだがキミの家でもじわりとそーゆー事態に?
権力の一極集中を嫌う風潮が韓国から飛び火したか」
「ふーん かんこくのとくようってなに?」
「勧告のことだろう、特養入居のはなしもあるのかい。
キミのおじいさんはまだ介護度など付かないだろうが相続がらみか。 そーゆー話はライフ プランナーのNさんに相談することを強くお奨めしますぞ」
「Nさんならきのう来たよ」
「そーか。 あのひとは誰に得とかかれに不利とか情実に傾かないニュートラルな判断のできる経験豊富なお人じゃからのう」
「あのね、Nさんはばあちゃんの若い頃の彼氏だったんだってさ。
昔はスマートでカッコよかったんだって、嘘つきのような気もするけどねえ。
いろいろ事情はあったらしいけど、しじょうってなに?」
「私情か市場かわからんがニュートラルが揺らぐ事情だなあ。 至上的すみやかにお徳用クリスマスプレゼントを買って帰ろうか」
「うん ぼくね、じいちゃんに ”老いをひとりで生きるサバイバルキット‐北方の無人島仕様” を買ってあげたいんだ。
おじさんってさ、楽天のスーパープラチナムカードを持っているんでしょう」
「ワシか? セブンイレブンのナナコカードなら持っておるが、カムチャツカで使えるかは分からんぞ」
「あのね、いまならシンゾー ウラジーミル会談記念セール中だからOKかもって、ママが言ったよ」
「山口県内のロシアウイーク限定しゃぶしゃぶ用カモ肉の話じゃないのか?」
知らないひとが多くて少しふんがい。
今夜は師走の天文ショーなのですよ。
月と金星が大接近。
接近はすれど接合はなし、縦から見ると距離はそうとう離れているのだそうだ。
いいのだ、ワシもそうだが どーせ皆の衆もそーなのだ。
ふてたような細い月とほがらかの明星。
南西の空。
少し離れて赤い顔をした火星。
いいのだ、どーせその時分には赤い顔して 「ぷっふぁー」 とか不良っているから微細な接近状況など見てもわからん。
わかったとて、加勢もできん。
そんでも まあー ご同輩。
外は寒いが見るくらいのことは、都合つけてやるのが昔アストロ〜ンだったものの仁義というものではござらぬか。
見取り図作成中。
満月待ち。




