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難くせレビュー爺い こと 重箱爺さん 久しぶりの登場です。
そろそろ朝夕の寒さが老骨に沁みるようになると爺さまライダーの自転車シーズンは納めのライドを迎えます。
元気な若いライダーは防寒タイツでまだまだ頑張っていますが、地味な紺色タイツを穿いた爺さまは人力車引きの藍の股引きみたいだからロードに出て来るなと言われるのです。
「今年はこれで最後にするから ちびっとだけ走らせてくれや」
15分でチギられて周回路の水飲み場で汗を拭いていたら、一周回ってきた若い衆の一団がキュッと停まって車夫の前掛けをプレゼントされた。
胸から腰のあたりまでカバーする車夫前掛けでぽっこり腹を隠せというのだ。
背中はたすき掛けになっていて風の抜けは良さそうだが胸の丸に車のロゴが明朝体なのが気に入らん。 ここはやっぱり提灯屋の祭り文字でしょうよ。
「お前らー、 こ〜んなトラディショナルな衣裳をどこで見つけてきたんじゃ。 引退勧告のつもりか」
「へい、先月のハロウィンカップ・クリテリウムの賞品だす。 爺さんのためにオレ頑張ったよー、ブービー賞を狙って獲ったんだす」
「ばかやろー 自転車も所詮は人力車じゃねーか。 リキシャ引きの喧嘩松五郎をなめちょると痛いめに合わすけんのう」
「爺さん 博多弁を広島風にいうなや。 正直に嬉しがれ」
ありがたくお言葉に甘えてコタツで渋茶などすすっていれば良いものを、藍染の前掛けをして自転車の越冬メンテもやり尽くすとすることが無くなった爺さん、PCいじりを始めるのです。
寒くなる頃に毎年きまって当欄にしゃしゃり出てきては、良識派から煩さがられている爺さんです。
ことわっておきますがこの爺さん、何処のどなたさまと明確なモデルがあってのことではございません。
ええ ございませんとも。
最近ご重役を引退なされたと聞くあるお方さまの此れからの日常をイメージしたら、以下のようなお話しが出来上がりましたなんて、そんなめっそうもない。
南会津の山並みの紅葉が陽光を照り返して一帯を紅く染めている。 それらを月見障子が柔らかに受け止めて草庵の畳はいつもより明るい。
2,300m超とこの辺りでは群を抜いた高峰である 燧ケ岳(ひうちが岳) を遠くに望む粗末庵にひとり座し、黒いパソコンと対峙している。
遠めに置いた長火鉢、灰を7分かけられて気勢を削がれたとはいえ紀州の男炭が南部の鉄瓶に気合を伝え、ゆらりと湯気が立ちのぼっている。
渦を巻くいちいの杢目を渋い透漆がなだめている猫脚のちゃぶ台に田島茶のセットと魚沼産米のお煎餅が載っている。
「お昼にはあったかお蕎麦がいいかしら」
赤い小型のプジョーで坂を降って行ったお手伝いが去り際にそう言っていたから早い晩酌を兼ねた遅い昼めしは蕎麦らしい。
熱くしただしつゆの中に長めに削ぎ切りした日光美人ネギといっしょに粗く挽いた石臼蕎麦をバサッと放り込み、最後に玉子をからめてひと煮立ちさせた蕎麦が好きだ。
「つゆを吸った蕎麦など食えるかい、べらぼうめー。 鰹節の削りカスと玉子入りだとおー、 風邪ひいた猫のまんまじゃあるめーしよぉー。
猫はネギを食わねえから横にどけてあんのかべらぼーめー。 蕎麦はなあ 冷めてぇーつゆにワサビとネギの勢いで食うもんだい」
とおっしゃる江戸っ子が、
「ほんとはよう オラぁーなあ、 こーゆー蕎麦を食いてーと 長げーあいだ思っていた。 誰にもいうなよ、言ったら殴るぞ。 なに? 猫かあ オラぁー猫は嫌いじゃねーよー。
三日月がよぉー しんと照りやがる寒い夜にはさぁー ふところに温ったけー猫入れてな、 ほんでもって横町屋台のよー 熱っつくてしょっぱい二八蕎麦でさぁ ふたりして泣いたもんだぜ。
なに? 猫かあ あいつは熱くて食えないから冷ましてくれろって鳴いたんだあ。 文句あっかあー べらぼーめー」
煮込まれる直前に引き上げておいて後から蕎麦の上に添えられた日光白ネギのシャリッとした歯ごたえと香りは、ある年数を重ねた女性でないと演出できません。
薬味のゆずの皮は摺らずに包丁の背で香りの粒を狙って浅く削り落とす。
そうするとゆずの香りは口の中だけで放散するので、主役の蕎麦の香りを邪魔しないのだ。
そういうお手伝いでよかった。 玉子を落としてつゆの沸騰温度を下げるタイミングなど今どきの若い女にわかるものか。
「ワシも年だし、彼女の行く末を公正証書にしてプジョーの名義も変えておかんとなあ。 各種申請を団塊屋さんに相談してみよう」
重箱爺さん、そういうことを呟けるような、なんとも羨望的リッチな環境のなかで本編を書いているのか。
読者のみなさまがそのように想像を描き、
「この爺じい 不労所得を隠しているか會津に伝わる平家落人伝説の秘宝金銀を掘り当てたに違いない。 ひとり寡占は許せん。
背後の有能なフィクサーは誰だ。 団塊屋か?」
思いのまま幻妄を惹起なさるのは至ってご自由ですが、昔から 金持ちけんかせず というじゃあありませんか。
リッチ爺さんならネット購入品の商品レビューコラムで隅つつきの難くせ合戦など仕掛けたりいたしません。
過去に実在の企業名を挙げて商品ロットも記載してコキおろしたら、数日後に属籍不明のドローン機が飛んで来て偵察行為をしていたと懇意にしている山のカラスが教えてくれました。
重箱爺さん、カラスやイタチなど土着のフィールダーに知り合いが多いのです。
他にも鳶や狐、ときには雁などのトラベル派も立ち寄っていきます。 ロシアと行き来するツグミはバイリンガルな情報通です。
ツグミの一団が初冬に大陸から渡ってきて高空から一斉に降りてくるとき、山あいに響く羽音のテーマ曲は ♪ 007 Gold finger です。 そのこころは Fromm Russia with love なんちゃってー。
さて、今回の ”隅” はユピテル社の自動車用ポータブルナビ YPB741型機。実勢価格18,169円。
9月下旬に入手しましたが、これを書く際に再度検索したら200円ほど値上がりしていました。
この部門での年間セールス台数NO1だそうで、すでに他の方々のレビューも多い。
なので使い勝手や交差点を曲がり損ねたときの対応の速さなど重複することは書きません。
なにせ書き手は重箱爺さんでっせ。 簡単には誉めません。
取り付け終わって電源を入れた1分後には早くも気に入らないのです。 やっぱりねえ。
いらいらして怒っているのです。
なぜって画面が立ち上がり、瞬秒後にGPSを捕捉すると同時に 「左側500m先 交通機動隊です」 と喋りやがる。 それも大声で。
毎日エンジンを始動するたび 「交通機動隊です」 とご注進しやがる。
そんなコトわかっとるわい。 「家の近所にお巡りさんが大勢詰めとる屯所があるから安心やなあー」 って越してきたんやないかい!
ワシは犯罪者やないぞー 「お巡りさんです、逃げてください」 って、このキカイは逃亡者支援装置かあ。
ご近所に聞こえたら恥ずかしいやないかい。 さいわい過疎地やからええけんど。
ワシが買うたんは自転車遠征に行くときの電子地図やぞ。
スピード取り締まり逃れのレーダーが欲しかったワケではないわい。
この先 「Nシステムです」 って何じゃい! ワシは手配車両などに乗っておらんぞ。 バックドアに枯れ葉マークを貼ってはおるがなあ。 あれは任意のおしゃれや。
南会津のゆったりと時間の過ぎる侘しきたたたずまいのなかでモノを書くには、メカメカしたカーナビの話題やシマノの電動変速機の話題はいけません。
茄子や南瓜や大根の話しがええですのう。 これからは白菜でしょうか。
今さらながら10数年間使ったザナヴィーのDVD‐ROM式のオールドナビの寡黙さを愛おしく思うのです。
なれば何ゆえザナヴィーから新興ユピテルに替えたのか。
それをこれからゆるりとお話ししましょう。 まあ お茶などどうです? 地元田島のお茶だす。 来春の完結編までは長ごうございますでなあ。
いつまでも腹を立てていては雪の季節を越えることはできません。
おお 坂道をお手伝いの赤いプジョーが帰って参りました。
おお おお えらい勢いですわ、ターボが回っとる音がしとりますやんけ。 目をつけていたボージョレヌーヴォを解禁前に買えたんでしょうかねえ。
母国ワインの瓶を乗せたときは 「とりわけソフトな運転をしてください」 ってプジョーの純正ナビはフランス語でいうのだろうか。
そんなこと言わないよね。 フランス人は欧州いち攻撃的だもの 「そこだあー フランシス! 踏め 踏めえー イタ公のフィアットをブチ抜けえー」 だよねえ。
お蕎麦用に買ってきたネギを1本もらって火鉢の炭火にかけた網に乗せ、醤油も用意してお手前晩酌の準備を始める前にミシュランの冬タイヤに替えてやろうかな。
そうだ、藍染の前掛けを締めて本気モードでやらんといかん。 こいつは自転車のタイヤより重たいからなあ。
「全輪いっぺんには出来んて、今日は前だけじゃ。 頼りになるのはお前だけじゃ」
なあーんちゃって、爺さん うまいなあ。 フランス人のお手伝いに通じるのかいな。
読者のみなさま 初冬の候、 ご自愛なされまし。
奥さまのタイヤ交換に際しては是非とも前のセリフをお試しください。 日本の奥さまなら (きっと) わかりますともさ。
上手くいったらフィクサー料の振込みは不要です、FC2カウンターを1ポチしてください。 といってもボタンの場所がわかりません。
つづく
<写真>
上が10数年動き続けているザナヴィーのナビ。 当然車両も10数年前のモデル、重箱爺さんのトランポ車はまだ大丈夫です。
ですがナビの地図データが古いままなので、新しい高速道路は無視されて入口を通過してしまうことが多くなりました。
更新されたROMの販売はとうに終了したそうで、今はバックモニターとして働いています。
ワシらだってそうだす、更新すべき脳情報をつなぐワイヤーに口金の形状が異なるものが増えました。
ロックの爪をヤスリで削って無理やり合わせているうちはええですが、そのうちヤスリの手が震えてピンがパキッと ‥ 。
屋根が写っているのは蔵の街でバックしているから?
下の後付けモデルがユピテル機。 画面は撮影用です、現在地というワケではありません。
上のバックヴューと合わせて地点が特定できる危険を回避しております。 ロシアから来たツグミ団の団長さんが 「そうしたほうがよい」 と教えてくれました。
2機ともに7インチのモデルですが、下が大きく見えるのは手前にあるからだと思います。
この位置に取り付けては裏側のオーディオ機器やザナヴィーナビの操作ができないのでは? という質問にお答えしましょう。
新ナビ本体の上方左右に光った金属棒が見えますね、この棒を中心にくるりんと回転して手が入るのです。
電動ではありません、手で持ち上げるのです。 ふだんは自重で下に下がってロックされます。
そのときのモーションがまた、羽根のように軽く上がり〜の 潜水艦の蓋のようにしっかり留まり〜の、入れポン出しポンが実に楽しい。
スーパーの駐車場でお手伝いが戻ってくるのを待っているあいだコレで遊んでいます。 痴呆症対策に良いみたい。
取り付け工事は当然ながら おしぐれ工房 にオーダーしたスペシャル仕様。
入魂の一作なので二度は作れないと店主が言っています。 あのひと 何でもそー言うのよね。
味噌おでん 作ったってそー言う。 でもそれって名人ゆえの一言かと、ワシら余人は敬服しとりますです。
材料費 : 648円
手間賃 : はかりしれず
<ご注意>
電化製品ですから Gold finger に自信のない方はマネをしないでください、車両火災の原因となることがあります。
一度でも高速道路を逆に進入しかけた経験のある方はアウトです。 はいはい あなたのことですよ。
あなた ITCカードだって挿入していないじゃないですか。 挿入にはね、気合いだけではダメ。 長年酷使した脳の休養が必要なんです。 セサミンと睡眠です。
<写真説明>
諸事情により下の本編と切り離れてしましましたが続きものの4枚目です。
すべては編集者の不都合であり、投稿者の責任ではありません。
「会津浪漫輪道」 開通記念碑のアップ。
石碑の文字が読み取れるでしょうか。
わざと微妙な距離から撮影したという意図的なことではございませんのです。
すべては編集者の不 ‥ 。
手前の自転車が場違いなほどええですなあ。
碑の台座にさりげなく置いてある DE ROSA のおNewのヘルメットは自転車に合わせ赤と黒のコラボレーション、初披露です。
秋晴れで気温が上がってきました。 ここは静かで適度な木陰もあって気分爽快。 来てよかった。
左が喜多方 右が会津若松の方向です。
この辺りまでは川沿いの林のなかを快適に走ってきたのです。 トイレで妙な二人組に出くわすまでは ‥ 。
この後に続く写真がないのは、そ〜んな余裕など吹っ飛んでしまったのです。
ロード脇のトイレに並んで用を足しながら福島県警の古いクラウンパトカーのお巡りさんと親しく会話する機会を得た。
以下はその全容であるがなにせご両名は公務のお方。 お名前 官名等は仮のものとさせて戴いた。
両手がふさがっているから腰の拳銃は容易には抜けまい。 安心してタメぐちである。
なぜならワシは駐輪スタンドにきちんと自転車を留めたし、昨夜は喜多方の北方に位置する蔵の湯温泉で遊湯税もきちんと現金で支払った。
トランポ車での野営地は公設キャンプ場であり、夕飯を兼ねた遊興街での徘徊は早めに切り上げて寝たきわめて善良なる旅行者である。 領収書ならお風呂セットのポーチ内にあるぞ。
早めに寝たのは一軒目を出たら蔵の街はどこもかしこも灯を落として真っ暗じゃったからじゃ。 ふん!
土曜と違って日曜の夜はこんなものなのか、駅前のタクシー乗り場には諸国からの旅行者が ふんっ ふん! の大合唱だったわい。 治安の良いことは結構じゃが民活度はどーなる! 混沌こそがアジアン仏教の根本ではないか。
「旅のひと、どさくさまぎれに渋い洒落かますでねーだよ。 街の治安をちゃあーんと担っているのは剣道4段の相棒とオラの腰のモンだ」
あに! ワシを真ん中にして剣士は左、オメさんは右に立ったのはそーゆーセオリーがあったのか。
右手は常に空けておくのがガンマンのキマリ。 容疑の標的者を左側に見て立つのは右腰をフリーにする会津ポリスのモチベーションだって? アンタ、福島のクリント・イーストウッドかいね。
「ご両名、会津もののふの気概はしかと分かり申したが なして自転車ロードにそがいな暑苦しい装束で?」
「旅のひと、よぐ聞いてくれだなやー。 この道は県道なんだすわ、福島県唯一の (全国的にも類の無い) 自転車専用県道なのでわしらのパトロール区域っちゅうワケだす。
磐梯山・猪苗代湖・喜多方ラーメンに次ぐ会津の誇りじゃで、本官ほか1名は所々にある自動車道との接点から歩いて巡視しとるっちゅうわけでございますよ納税者さま。
はいー 年寄りにはしんどいだす。 早くに出世しておったれば歩き巡視などせんでよかっただになー。
この時期のマムシはなや、冬眠前の荒食いだで気が立っとります、革の編み上げ長靴にエルボーチョップ用のヒジ当ては欠かせませんだす。
もしもヤローが警告を無視して恭順の意志を見せず、さらに善意の市民および本官らの生命財産に急迫不正の重大な危機が及ぼうとする際には、司法公務員職務執行法の精神に照らして躊躇など明らかに不要。
ウムを言わさず44マグナムの全倉発射じゃーっ。
はいー フルオートマチックのダーティーハリー仕様、グリップに純銀を用いたスペシャルシルバーモデルだす。
少々重いが抜く手は見せぬぞ、全弾命中じゃ。 のう平手うじ」
平手と呼ばれた若い方の警官は川面のカモの数を目で追いながら 「アンタ うるさいよ」 背中を向けたまま肩から上げた手をヒラヒラさせた。
それで平手というのかも知れん。
さらにこの男、川面に揺れて咲く川藻の白い花に群れる小魚がパッと散って根方に潜るのを追う川ガモが、暫くして顔を出すたびその数を倍にしたり戻したりするのを見て ふっとつぶやく。
「されば 梅花藻 (倍カモ) と名付けたり」
「お若いの、平手うじと申されるか、お見それいたし失礼した。 さすがのお点前でござる。 一刀流か?」
「恐れ入ります。 お手前こそさすがの慧眼。
川ガモが川面の川藻に遊ぶさまをしっかり捉えての三点フルバージョン盛り、無駄も外しもない自然流。 敬服いたしました。
もしや雲水どの、あなたさま もしかして あのご高名なるおしぐれご坊さまではありませぬか? なれば各地を旅してご存じではあるまいか。 房州下総行徳寺の妙真尼どのはご息災にあらせられるかと」
(注釈 : 以下の解説は福島のクリント・イーストウッド氏によるものです)
平手造酒 (ひらてみき): 天保水滸伝に登場する美貌の剣豪。
北辰一刀流 抜き打ち技の名手として関八州に名を馳せたが生来の酒好きと女好き、さらにはその美貌が禍となり身を持ち崩す。
お玉が池の千葉道場を破門となってからは下総の元締め博徒 笹川の繁蔵 親分の食客となり利根川の堤筋で颯爽の風となる。 今風にいうたら利根のロードマンですなあ。
このとき平手の無事を祈って山寺にこもり、厳寒の滝で水ごり祈願をしたという美形の尼僧が若き日の妙真尼である。
浪曲 大利根月夜唄のモデルとして 千葉・茨城 ではつとに有名
「はぁー そーなんですか? アンタ、会津の誉れから房州博徒の用心棒の恋バナまで関八州の人文地理をよー喋りまんなあ。 ポリスアカデミーの卒論だすか?
わたいの聞きたいのはマムシ情報だす。 そいたら転んで草むらに落ちたらアキマヘンな」
「アキマせん 足を着いたらアキマせん。
秋風が立っちょるちゅうに なんでライダーは無防備にスネば出しとるんかいねえ。
ゴールまで一気に突っ走って行かねばタヌキに化かされマム公に食われて命を落とします。 ここはネヴァーなワイルドランドだと認識すべきです。
一番危険なのが雑木林での立ち小便。子持ちタヌキの巣穴にひっかけて祟られ、石地蔵に化かされる例が後を絶ちません。 これはライダーに非があるだすから立件・起訴の対象となりませんなあ。
よって7キロおきに公設トイレがあります。 パンツを下す前に便器内に銭形模様の動くものがいないことを確かめたうえでご利用願います。
銭形の動くものと申しましたが、碕玉県警からインターポールへ出向中の銭形警部のことではありませんだす。
はいー ポリスアカデミーの同期だす。 まあ あのご仁も毒の強さではマムシ以上の虎ウツボですがなあ。 がっはっはー」
これはいかん。 銭形の知り合いでは今後いかなる災難の展開となるか想像もつかん。
一刻も早くこの場を立ち去るのが良策であろう。 マムシも恐いが銭形の刺青を背中にしょった地中海の虎ウツボはもっと恐い。
「ひょえー! 素敵なワンダーランドですなあ。 利根川サイクルロードの颯爽に対し、こちらさんはワイルドさにおいて完全に勝っておりますだす。
ほいたら ぽちぽち出発しますで いずれの地でかまた会いましょう。 さいなら」
「お待ちなせえ 旅のひと、ここで逢ったもなにかの縁。 めったに口をきかん平手が3行も喋ったのもご縁のおかげ。 お礼の気持ちを込めて完走祈願の祝砲をたてまつらん。
平手巡査長、 気をつけーっ! 直れっ! 射撃姿勢をとれーっ!
わしの44マグナムを式典銃として特別に貸与する。 南11時の方向に捧げ 両手構えーっ! ええが 全弾撃ち尽くせ。 ちっとは軌道がそれてもかまわんぞ。 よーい!」
「ひえー! かんべんしてちょーだい」
正式名称 : 福島県 県道392号線 会津若松 熱塩温泉 自転車道線
愛称通称 : 会津浪漫輪道 (あいづロマンチックりんどう)
計画距離 : 49.9km
整備距離 : 会津若松側 14km 喜多方側 9km
沿川 : 大川 押切川 濁り川
<写真説明>
1枚目 : 起きぬけのウォームアップにキャンプ脇を通る会津 米沢街道 (国道121号) を大峠に向かって登る途中、偶然見つけたこの標識がすべての始まりだった。
この瞬間 本日予定の 「恋人坂」 のキャンセルを決断した。 「オラはちゃらちゃらした坂は嫌いだ、行くならこの道だっぺーよ」
恋人坂 : 会津にはこーゆー名前の坂が実在するのです。 なんと浪漫な県民文化でせう。
写真は撮ってあります、いずれお目にかけたい。
2枚目 : いったんベースキャンプの道の駅 「喜多の郷」 まで戻って旅支度を整え直す。 バックパックにはお師匠さま形見のお数珠を忍ばせた。
モチベーションに本気度が乗ったときはいつもそうしているが、考えてみたら拙僧にとってお数珠は本業だったなや〜。
このときなんと 「浪漫輪道」 が駐車場のすぐ裏を通っていることを発見。 お師匠さまあ〜。
写真の標識は最近設置された電気自動車急速充電器の小屋に隠れて見えなくなっていたのだ。 なんてことをしてくれるんじゃー。
前夜 喜多方の飲み屋街から乗ったタクシーが 「自転車道はあっちの方やないけ?」 と言ったのはこのロードのことだったのか。
3枚目 : 平手酒造(株)の酒蔵と 「会津浪漫輪道」 開通記念碑。 平成11年とある、こんなところに埋もれてもったいなや。 のう平手うじ。
このあたりは酒造会社のみなさんによって綺麗に整備されていたが、少し行けばタヌキやマム公が出る雑木林が川に沿って続くばかり。
街路樹があたかも桜花のようにピンクに写っています。 そりゃーそうです酒蔵から漏れ出た酒精の水を吸って年中紅葉している木々です。 ええですなあ。
酒蔵は稼働中、シャッター押しを頼めるひとはいませんでした。
街路の時計は10時40分を指しています。 祝砲弾の飛んだ方向、会津若松まで残り20分で行けるか?
軌道がそれて宇宙をひと回りして降ってくるマグナム弾をこの身を挺してでも受け止めねば善良なる市民に迷惑がかかるばかりではない。
拙僧が終いの巣舞いと決めておる父祖の城、會津鶴ヶ城の神聖美麗なる大天守の鬼瓦に穴があくではないか。
ハイヨー シルバー、 走れーっ コルナ号ー タヌキもマムシも蹴散らして、いざ 参らせそうろうーっ!
お師匠さまあー まっこと不肖の弟子でございました。
お側に参れるかどうか、とんとわかりませぬ仕儀とあいなりましたも渡世の義理。 男の意地。 お許し下さりませーっ!
<大利根月夜唄より一部抜粋>
えーい 止めてくださるな妙真尼どの、落ちぶれ果てても平手は武士じゃ。 受けた恩義を返すは今じゃ。 行かねばならぬ 行かねばならぬぅーっ!
ふるさとのなまり懐かし首都高の
「このー ごじゃっぺなまはげやろー おだおだすんでねー」
「あんだどー おめごそとっとと男鹿さにけばれ ぶりこの網ば さばけてっぞー」
この地点 お気に入りに登録
のっけから難解なフレーズが続きましたが短歌です。
注釈しないと短歌と解からないでしょうか? そのせいか 「NHK日曜短歌」 に渾身の投稿をいたしましても相手にしてもらえない。
「だからって団塊屋に投げてくるなあー」
「すみません。 他にはなくて、お願いしますですうー」
たぶん選者はこの短歌が 「カーナビゲーションの地点登録」 を詠んだ歌だと気付かないのです。
週のお題が ナビ・カーナビであったなら、選者が新進のヌーベルバーグ詠者であったなら、上の句は特選の上の大吟醸。年間秀作賞に輝いたはずなのですがねえ。
しかたがありませんから解説者の先生に快説をお願いしましょう。
無茶句 先生お願いいたします。
「あー この歌はね、首都高環状5号の17番パー3、 246ヤード 第2打のことですね。
分岐に出ようとして間違いに気付き、走行車線にふらふら戻って後続車とトラブルになったと、そーゆー場面ですね。東北道方面へはもすこし先です」
「なぜ17番だとわかるんですか?」
「あそこはね、最終ラウンドを意識してあせるんです、前のひとがナイスオンしたのを見てハンドルの切り込みが早くなった。
ナビの分岐ライン図を見ていなかったんでしょうかねえ」
「見てもいいんですか?」
「ツアーのプロだって見てますよ。ラウンドの合い間にポケットのあんちょこを見ているでしょう、しっかりコースラインを読むことが大切です」
「あのー 男鹿さにけばれ というのは何かの符牒なんですか?」
「オメさん ほんだらごども知らねで放送席に座ってんのけ、たまげだなあ。 秋田名物はたはたなまはげ男鹿ぶりこだっぺーよ」
「ひえー?」
「沖の漁場さに入れる網が破れで年寄りのおどーが困ってっがら早く帰えーって手伝いてーと、そーゆー望郷の歌だあ」
喧嘩しているのはどちらも男鹿の出身だったようだなや。
美しい同郷愛を目撃した詠者もまた秋田のひとなのでしょう。
ここへ来れば懐かしいふるさと訛りに会える。 そういう一連の事情と心情とがよっくと詠み込まれたこころ打つ秀作です」
「ほえー?」
「この男たちはなや、魚探やロランは蛍のけつだがカーナビは海では扱わねーうえに乗って来た軽トラにはそんな設備はねーのがも知んねーなあー。
そんでもってこーゆーごどもあるんだわな。 許してやってちょーだい」
「軽トラで何しに東京へ来たんです?」
「そらオメ、豊洲さ移転の決まった新築地市場さ営業だっぺ。 ぶりこはハマチの子供だかんなや、高額商品だあ」
「蛍のけつ はなんです?」
「浜のホタルをいっぺー集めでな、かごに入れだ集魚灯だがや。
ぼーっと明るいが発熱しねーのがメリットだ。 ぶりこの鮮度が保てる。
逆さぼたるというのはな、はげのおやじのことだあ。 こっちは生ぐせーんだ。
「みなさま、不適切発言がございましたので最終ホールアップまで放送を続けることが出来なくなりました。
こころ残りではございますがこれにて失礼いたします。
怪説は無茶句 精強 先生でしたあー」
「なんでよー、 なまはげ俳優のはげのことだっぺーよ。 精強な男ほど男性ホルモンの作用ではげになるんだぞー」
団塊屋のみなさま。
なまはげ神社の縁石で滑って股間を痛め、久しく休んでおりました俊水掲示板。
傷癒えて再掲載の運びとなりました。
リターンマッチ第一戦といたしまして、近日中に最新カーナビゲーションのカスタマーレビューを上梓する予定でございます。
いましばらくお待ちください。
syn
「おーい 鬼さん、クルマは庫裏に入れろ。 アタマが鴨居に当らんように気をつけるんだぞ」
「庫裏ってよー 裏のツリーハウスのことかあ。 ははあーん、栗の木の枝をそのまま鴨居代わりにしてあるから それでクリっていうんだなあ。
青いイガの実がいっぱい付いているじゃないの。 気をつけろってーのはオラのアタマけ、それとも選挙カーの屋根のことけ?」
「どっちでもいいから早くエンジンを止めろ、この山ではCO2排出量の1日量がひとり0.4g以下と定められている。
夏場は地表近くでも空気密度が薄いから0.4gといっても馬鹿にならぬ割合となって地球環境には負担となる。
山は光合成のふる里じゃ、米国デュポン社の毒素フロンはもちろんじゃがワシらのCO2もご法度なんじゃ」
「それってよー どれっくれーの量なんだや?」
「ナトリウム塩分の摂取限度の1割だ」
「なんだそれ? オラは半魚族だから塩気はエラで漉しているだよ」
「缶ビールの炭酸2本分だ。 汗かいたからこれから1缶飲んで、晩酌の口開けに2缶目を飲んだらそれでひとり分の定量だ」
「汗かいたからって あんた。 まだなーんもしておらんよ、栗の木のクリハウスにクリマを入れただけじゃないの。 ブルーシートを張っただけのクリーンな庫裏によー」
「ワシは先ほどより選挙カー改め鬼村旅情カーをどのように設計したものか、頭脳をフル駆使しておったから前頭葉海馬付近がひどく疲れた。
まずは飲もうじゃないか。 早く出せ」
「出せって 何を? まさか缶ビールを出せってかいね。 オラはどらえもんのポケットじゃねーよ」
「ふっ ふっ ふ 知っておるぞ。 車内の保冷クーラーはなんじゃ? 昨夜の選挙事務所打ち上げパーテイ用のビールじゃろ。
そーゆーものは早く処分しないと選挙法違反になる。 お前さまは臨時職員だったのだから職務上横領罪に問われ、悪くすると野ざらしの刑だ」
「あちゃー 降ろし忘れていただよー。 まだ冷えているっぺーか? 業務用のデカいクーラーだから冷えたままだといいなあ」
「おぬし、なかなかの役者よのう。
塞爺いから選挙カーを貰ったとき、旅情カーとして使うからこれも欲しいと言って中味の入ったままの保冷クーラーを積んだままにしておいたんじゃろ」
「見てたの?」
「塞爺いから連絡があったのさ、鬼さんのことをよろしく頼むってな。 伝書キジが手紙をくわえて飛んで来たばかりだ」
「あんたら、桃太郎の世界かい!」
「まあよい、飲もうじゃないか」
「CO2の許容量はどうなるだね。 オラだぢの胃袋ではあっという間に越えてしまうぞ」
「ふっ ふっ ふ 大丈夫じゃ。 もうじき10人増える、今日ワシらはひとり当たりプラス5人分まで飲める」
「なに それ?」
「あのな、塞爺いが村役に最高得票で当選したろ。 そこで村議会の議長になって老人対策の議案を通すというんだ。
託老所という施設を当庵に併設して寺全体の経費を村費でまかなうという計画だ。
拙僧が住職兼施設長、寺男に新採用するおぬしが託老所長というわけだ。 塞爺いがそういうておる。
女子介護職員も村の嘱託職員として給料が支給されるから近所のおかみさんが応募してくるべとなあ」
「ひょえー 色っぺー かあちゃんが来るだかや。 オラも介護されてえー」
「何をぬかすか、おぬしの女房だ。 他に暇そうなおかみさんなどおるか」
「なあーんだ そーかあ。 でもオラのかかあは介護師免状など持っていないよ」
「村の元気な老人が任意で通ってくる私的なクラブだから公的免許はいらぬ。 村はそれを支援する条例を制定して資金援助をするのだ。
当節は老人福祉政策といえば大抵通る世論の盛り上がりがあるでのう」
「塞爺いはアタマいいねえ。 選挙中はそんなこと言わなかったがよう」
「言ってもお前さまには聞こえなかっただけじゃ、宿直室で昼寝しておったからのう。
老人の足腰鍛錬には水泳が一番ええから下の潤沢を堰き止めてプールを作る。 沢の主のカワウソ又吉どのも了解済みじゃ。
冬場はスケートリンクになる。 又吉どのは氷下魚(こまい)養殖の準備を始めたそうな、さすがの商才じゃのう。 アクタ川賞じゃからなあソツがないわ。
そうそう半魚のおぬしには水泳コーチとして別手当が加算されるというぞ」
「ひょえー ええ話しだがオラとゴン太のサイクル旅情旅はどーなるだや?
ゴン太に聞いたら寅さんと古鞄と茶色い犬の写真は 「あー あの犬はオラの親爺だ」 ってこともなげに言っただよ。 あいつは名門の出なんだわ」
「好きなときに休暇を取ってゴン太と出かけろ。 その旅情カーだが万一のときには救急車として使うからストレッチャーを固定できる装置を付けて88ナンバー登録をする。
88の特種車両はな、
「われらはお上の御用である。 こちらお犬さまは緊急救助犬 徳川ゴン太号綱吉さま、火急のご出座である。 しもじもの者 御用である すみやかに道を空けろーっ!」
と大上段に構えて選挙カーのスピーカーで音声すればカーフェリーがフリーパスになるから予約なしで佐渡だって北海道だって行ける。
もしもバレたら、「大冗談だよ〜ん」 とシェーすればいい。 目は半月下弦のマークにするんじゃぞ。 なに 知らん? 赤塚漫画で勉強いたせ」
「しぇーっ!」
「よっし そのポーズじゃ。 できるじゃないか半魚人。
ワシは先程来、ボデーに描く宅老所のロゴマークを厚生省のマークに紙一重で抵触しないよう多々考えておったから脳が疲れて喉も乾いたんじゃ。 早ようくだんの隠匿物を出せ」
「ひょえー でっかいどー で自転車旅情かやー。 待ってろよー 北海道ぉー。
トドを爆竹のひと投げで倒すオラとヒグマをひと吠えで撃退するゴン太の勇者コンビがもうすぐ行くかんねー。 ロシアの赤ワシなどひと捻りじゃわー」
「お前さま 何しに行く気ななの?」
「ささ 飲んでけれ、施設長さま。
ほーんで この山に老人が10人増えるっちゅうワケかあー。 村の老人のうち元気に歩けるひとのほぼ半分だなや」
「そうだ、その老人たちがこぞって塞爺いに投票したんだ。
なにかスポーツをしなければと考えながら自分ひとりでは何をしたらいいのか分からなかったひとたちだ。
老人トライアスロンチームを作ろう、監督はコーチのおぬしだ。 しっかり働けよー 半魚人、まずは飲もう」
というわけで今日も旅情カーの制作はとんと進まないまま日が暮れるおしぐれ山でございます。
写真はおしぐれ託老所の見込み受注の前祝にAmazonで新規買い入れしたおしぐれ住職のサイクルシューズ。
期末に使途不明金として追及されることになるのは必至だが、まだ先のこと先のこと。
左 : 欲しかったパールイズミのワイヤー式シューズ。
中央の丸いダイヤルがワイヤー (といっても釣り糸のようなボロン製のシュー ・ 米BOA社の特許) を巻き取るしかけ。
任意の位置で止められ血行不良でむくんだ足を締め付け過ぎない。 走行中にも加減が効くので足に障害のあるおしぐれさんに好適。
中 : 左右で PEARL iZUMi と読める秀悦なるバックスタイル。 文字は再帰反射性。
追走者はこのマークを見たら足が萎えて追うのをやめるという。
右 : 底面の金属スパイクがクリートと呼ぶビンディング装置。 ペダルに嵌まってビンディングする。
つま先のメッシュ穴は通気用エア穴。 F14トムキャットみたい。
昨日試運転しながらクリート位置を微調整したばかりで底がピカピカしている。 ただし歩くのは大変、トイレの濡れたタイル床でほとんどの人が転倒を経験している。
一時停止で歩道の縁石に突いた左足が滑ると ・・・ フランスではルイ16世の股裂きの刑と呼ばれている。 想像したくない。
これまではシマノのマウンテンバイク用シューズだったからクリートの周りにゴツゴツしたゴムがあった。
このあとしばらく投稿が止まったなら ・・・ きっと お股がマリー・アントワネットに ああ想像したくない。